2019年2月17日日曜日

落っこちたなら

 ブリューゲルの描いた絵画「盲人が盲人の道案内をする寓話」の写真を見た。てっきり二人だと思っていたが、ブルーゲルはそこに6人の盲人を描いていた。
 先頭の一人はすでに水の溜まった溝に落っこちている。2番目は危うく落っこちる寸前である。3番目は両足が爪先立って、すでにバランスを崩している。4番目は危険を察知したかのような顔つきだ。5番目と6番目はまだ危険に気づいていない。
 導く盲人も、導かれてゆく盲人もこの私自身だ。自分に頼る限り、6段階の危険のどこかに私はいつもいるのではないだろうか?だが、落っこちたなら、なりふり構わず叫ぶ。「主よ、お助けください!」と。