2023年5月28日日曜日

ペンテコステは日々起こる

  聖書では、「聖霊」は「風」とも言われ、また「息」とも言われ、身近な現象として捉えられている。

 人々は、目に見えない大きな力(生命力)を感じたときに、それを風や息として表現した。神からの力は「聖霊」だ。それに反して、罪にいざなう悪の力がある。それを悪魔や悪霊だと考えた。

 私たちも内側から、外側から日々悪魔の誘惑にさらされている。そして、強力な悪霊の力に負けそうになって、神への信頼、人への信頼を失い、不安になる。

 その昔、使徒たちに起こったペンテコステ(聖霊降臨)は今も休みなく起こっている。ときには激しく、ときには静かに内省の声として。

2023年5月21日日曜日

聖霊の風よ吹け

 聖霊降臨祭の礼拝に赤い衣服を着けて来るという習慣をアメリカのルーテル教会で知った。五旬祭に「炎のような舌が一人ひとりの上に留まった」ことによる。

 赤いシャツ、赤いネクタイ、赤いブラウス・・・中でもご高齢の婦人たちが真っ赤なスーツ姿で教会に来ていたのが印象に残る。白髪に赤のスーツはよく似合っていた。赤色は魂を燃え上がらせる聖霊を象徴する。

 そういえば、私の子供の頃祖母が風呂の釜炊きをしながら火吹き竹で火をおこしていたという話を思い出した。木が湿って煙ばかりで燃え上がらない焚口で、祖母は「私の信仰もこれと同じ、どうか信仰を燃え上がらせてください」と祈っていたという。

 聖霊の風よ、吹け!我が心よ、我が魂よ、燃えよ!

2023年5月14日日曜日

その一羽さえ

  我が家の愛猫が巣から落ちたスズメの子をくわえて帰ってきた。雛は目を閉じ、口を大きく開けたまま動かない。しかし、家人が手にしてみると生きていた。

 気がついて鳴き始めた雛をダンボール箱に入れて、餌を買いに走り、餌を与えるのに割り箸を削ってヘラを作っている。野生の鳥を育てるのは不可能に近いと思うが、家人はとにかく雛に餌を食べさせ、飛べるようにして、親に返したいとひたすら願っているようだ。

 しかし、雛は助からなかった。その雛を家人は丁寧に庭に埋めてやった。「その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。」「父の許しがなく」とは「父無しには」だ。このみ言葉が慰めだと家人は言う。あの雛が地に落ちたときにさえ天の父が共にいてくださったと信じられるからだ。

2023年5月7日日曜日

主に信頼して生きる

  神と主イエスをすっかりそっちのけにして、はかないものを頼りにしている限り、不安や心の動揺は続く。世間の目が気になり、権力や財産や名声などが何より大事になってしまうと、人への信頼とか、思いやり、愛などというものは二の次になってしまう・・・。

 主は、「神に信頼を置き、自分の身を神に委ねなさい」と、神に向かって心を高くあげようと呼びかける。

 あるがままで救われた私たちは、今後は自分の努力によって霊性を豊かにしてゆかなければならないと思う必要はない。そうではなく、主の救いには力があって、その力によって、日々私たちは新しくされるのだから、「主に信頼して生きることはすてきだ」と思う。