2013年6月23日日曜日

海から昇る朝日

 「あさひは のぼりて 世を照らせれり」と讃美歌を口ずさみながら雨戸を開けたら、なんと曇天。まだ梅雨はあけていなかった。 
 湯河原赴任が決まったとき、海から昇る朝日が見られるのではないかという期待が浮かんだ。
 郷里の西伊豆では、太陽は山から昇り水平線のかなたに沈んで行く。子どもの頃、ひんやりと冷めてきた砂浜に腰をおろして、赤と紫を帯びた雲を従えた黄金の光が夕闇にかわっていく様をよく眺めた。
 教会の墓地は湾内を一望する小高い丘にある。そうだ、梅雨が開けたら、まだ暗いうちにあの丘に行こう。海から昇る朝日に会いに行こう。