2013年8月11日日曜日

ヨナとトウゴマ

 第二次大戦当初、飛行機の燃料に使うからとヒマの栽培が奨励されたことがあったという。ヒマとは、ひまし油の原料となる植物の蓖麻(ひま)のことだ。今、その加工品はラジコン飛行機の燃料やレース車のエンジンオイル、医薬品などに使われている。
 蓖麻の別名は「トウゴマ」である。旧約の昔、神はトウゴマを生やしてヨナを照り付ける陽射しから守り、また翌日には枯らせた。熱波に苦しみつつ、枯れてしまったトウゴマを惜しむヨナに、神は「右も左もわきまえないとはいえ、人間が滅びるのを惜しまずにはおられない」と告げられた。神の憐れみを明かししたヨナ書の蓖麻の話である。