2015年5月3日日曜日

優しさのハーモニー

 「森のイスキア」を主催している佐藤初女さんは訪れてくる心を病む人たちに手塩で握ったおにぎりと、野菜を使った手料理でもてなす。一緒に食べながらその人の話をひたすら聞く。ただ、それだけでみんな癒やされて帰っていくのだそうだ。初めてから19年、今年で93歳だというから、ますます驚きである。
 彼女は野菜の皮も包丁でむく。決して皮むき器は使わない。皮むき器で剥かれる野菜はヒリヒリと痛そうだという。同様におにぎりも手塩で握る。お米が窒息するからと言ってラップは使わない。
 素朴なおにぎりは相手の気持ちをそっと受け入れる。優しい気持ちで作った料理は味も優しいのだろう。