2015年11月1日日曜日

猫のことのようだが、これは猫のことではない。

 飼い猫のドッティが四日間ほど行方不明になった。
 いつもは私たちの帰宅を待って「おかえり」と迎えてくれるのが、その日には姿を見せなかった。どこかに行っているんだろうくらいに思っていたが、二日目ともなると家人は心配で眠れなくなった。さすがに三日目にはご近所を二人で探して歩いた。
 四日目、突然開いていた窓からドッティが飛び込んできた。家人は猫を抱きしめて泣いた。
 この間「祈っている」という言葉に励まされた。また、心配をしてくださったご近所の方たちにも出会えた。他者の痛みや悲しみに寄り添う人の優しさを知った。猫のことのようだが、これは猫のことではない。