2020年6月21日日曜日

腸の中のパートナー

 寄生虫を自らの体に長年住まわせてアレルギーの実験をした藤田紘一郎医師の腸内細菌の話が面白い。
 多様な生き物の腸内細菌はビタミンや脳内伝達物質を合成し、免疫力の70%を作っている私達の大切なパートナーだと言われて、なになに?と聞き耳を立てる。
 要は腸内細菌の餌となる食物繊維を食事で取ることが大切だということなのだが、先生がユニークなのは、腸内細菌という他者との共存を見直すことは自分を大切にすることだという哲学的な提題をしている点だ。
 自分の中のサナダムシでさえも、もう一人の自分として愛おしんだ先生は、現代人は自分と他者とを区別しすぎてバランスを崩していないだろうか?と問うている。