2013年10月27日日曜日

アンパンマンにキリストを思った

 絵本『アンパンマン』の作者、やなせたかしさんが亡くなった。アンパンマンは54歳の時、やなせさんが生み出した空飛ぶヒーローだ。スタートとなった絵本では砂漠で飢えて彷徨っている人に、自分の顔を食べさせる。本当の正義は必ず自分が傷つくというのがやなせさんの主張である。当初は自分の顔まで提供するのは残酷だとの感想が相次いだそうだ。
 しかしその後がある。ジャムおじさんによって、再びアンパンマンの顔は修復される。復活しながら活躍するヒーローが誕生した。自分の顔を食べ物として与えるアンパンマンが、おさない子供たちは大好きだ。
 このアンパンマンにキリストを思った。

2013年10月20日日曜日

わが伝道もかくありたい

 夜の集会のために教会の玄関扉を開けた途端、暗闇の中から見知らぬ青年がぬっと現れ、驚いた。
 一昨日注文した車のカタログを届けに来たセールスマンだった。聖書研究会が始まるまで、話を聞いた。
 バックモニターとカーナビ、ETC・・・と注文をいうと、iPadにデータを入れ、すぐ見積もりをだしてくれる。最新のセールススタイルに感心することしきり。
 しかし、夜討ち朝駆けとばかりに、足で稼ぐ基本は同じらしい。おまけに誠実そうで爽やかな笑顔だ。
 わが伝道もかくありたい。キャッチコピーは「ピカイチのキリストの福音——当方、胸を張って売り込みます」。

2013年10月13日日曜日

十字架の神秘に触れて

 湯河原教会の礼拝堂には、正面いっぱいに広がる大きな十字架が、小塔に向かって伸びている。
 先日のこと、礼拝堂に入って来た方が、湯河原教会の礼拝堂はよく手入れが行き届いていて、礼拝の場にふさわしい凛とした雰囲気があるということを言われた。確かに、聖壇の前に立って、白壁に焦げ茶色のシンプルで大きな十字架を見上げると迫力を感じる。
 この十字架を仰ぎ、聖壇の前にひざまずくと、ひとりでに頭が下がる。
 時にはこうして祈るのが良いと思う。ともすれば観念的になりやすい言葉の祈りも、十字架の神秘に触れて平安と安堵の思いに満たされるから。

2013年10月6日日曜日

柱と鴨居とで十字架が

 今日も一人の方を、病床にお尋ねする。高齢で、腰の痛みのため身動きのままならないこの方はすべてを人の手に頼っておられる。動けない、申し訳ない、痛い・・・。ただ、「お迎えが早く来てほしい」と言われる。この方を慰めることのできる人の言葉はいくら探しても見つからない。
 我が身を委ねられずに苦しむ。人にはそういう苦しみがある。部屋を見回してみると、縦の柱と横の鴨居とで十字架ができているではないか!十字架の主がおられる。そう気づけた途端、ふっと息がつけた。
 苦しむ者と共にいて下さる主に感謝して祈り、そして言う、「大丈夫、主は一番よい時をご存じです」。