2014年8月31日日曜日

心から尊敬する

 盲導犬が全盲の飼い主と一緒に職場に向かう途中で刺されたというニュースに衝撃を受けた。フォークのような鋭利な刃物で腰のあたりを2,3箇所、その傷の深さは3センチに達していたという。この卑劣な行為に胸塞がれる思いがした。
 学生の頃、山手線に飛び乗ったら目の前に盲導犬がいたことがある。その毅然としてあまりにも気高い姿に僕は一瞬気後れして、そして感動した。
 「刺されても、鳴き声一つ上げなかったオスカー君、君は耐えて、赦したのだろうか。心から尊敬するよ!」
 僕は十字を切る。天の父の前に卑劣漢が悔い改め、救いへと導かれるようにと切に祈る。  

2014年8月24日日曜日

ガッツいっぱい

 先週この欄に書いた青と紫色の高山植物であるが、この花を下さったAさんにお聞きしたところ、実はインド原産のトレニアと言う一年草だと分かった。
 あの時、頂いた後で4人の方々を問安した。ハンカチに包んであったが、家に戻ってみると、すっかり萎れてしまっていた。
 ああ、かわいそうなことをしたと、冷たい水をかけてコップにさした。すると2、3時間で葉はピンとなり、小さな花は生き返った。
 今日でもう一週間余り経ったのに、次々と新しい蕾が膨らんでは花が咲いている。コップの中でも、暑くても、ガッツいっぱいの生命力で咲いている







2014年8月17日日曜日

高原の涼を送ってくれる

 午後から問安に出かけた。気温は29度。猛暑の候であればそう高いとはいえない。しかし、ときおりザーッと降る雨に、湿度は90%となっていた。
 気温を湿度との関係で表す体感温度というのがあるが、これを表す数式というのは、実はものすごく科学的、かつ複雑である。便利な体感温度表によると、今日の体感温度は39度ということになる。なるほど今日は過ごしにくいわけだと納得する。
 問安に伺ったお宅の庭から、紫色の花を付けた小さな高山植物を頂いた。帰って直ぐにガラスのコップに挿す。この花、すっかり名前を忘れたが、今日の蒸し暑さに爽やかな高原の涼を送ってくれている。


2014年8月10日日曜日

今日はまるで天国


 この休み、一人暮らしをしている叔母を半年ぶりに訪ねた。この24日で89歳になる。
 着いてそうそう、叔母を近くのお蕎麦屋さんにお昼ごはんに連れ出した。車で行けば店まではほんの数分ほどの距離である。叔母を乗せて車をスタートすると、「ああ、嬉しい。今日はまるで天国だわ!」と、弾んだ声が後部座席から聞こえてきた。
 なんの変哲もない毎日を過ごしている叔母にとって、今日はささやかな変化ある一日だと知った。
 「じゃあ、今日は誕生日のお祝いね」と言って、美味しそうに食べる叔母を、日頃の親不孝ならぬ叔母不幸を許してもらいながら、感謝の思いで眺めた。

2014年8月3日日曜日

りゅうじを真似て言ってみる


 いよいよ今週は休暇だ。一回きりだが説教の準備もない。そう思うだけでほっとする。しばしの休みだ。
 夏空に入道雲、花火に夏祭り、西瓜に蝉の声・・・全く意味を成さないただの夏の単語の羅列だが、休みを目の前にすればすべてが輝いている。
 こういう時そこ「かまきりりゅうじ」(工藤直子著 詩集『のはらうた』)のセリフほどしっくりくるものはない。
 「おう なつだぜ/おれは げんきだぜ/あまり ちかよるな/おれの こころも かまも/どきどきするほど ひかってるぜ」
 私も片腕を太陽にかざして、かまきりりゅうじを真似て言ってみる。「おう 夏だぜ 暑いぜ 俺は頑張るぜ! 」