2023年6月25日日曜日

聖霊の力に励まされ

 主イエスは12弟子を宣教に派遣するにあたって、弟子たちに権能を授けて送り出したと言う。

 今、日本で私たちが宣教している状況は、2000年前の当時とは大きく異っている。使徒パウロの時代にキリスト者が受けた迫害はない。しかし、困難があると言うなら、自己責任型のゆとりのない社会、忙しさの中で隣人に関心を向けられない社会、そんな中で自分の時間を隣人のためにとことん削ることかもしれない。

 人から相談を受ける時、たいてい私は聞く側に徹する。確かに人の話を聞くことは忍耐がいる。だがそこには主がともにいてくださるという希望がある。聖霊から励ましと力を得て元気になれる。これこそが私たちに与えられたキリストの権能ではないか。 

2023年6月18日日曜日

「従え」は救いの言葉

 主イエスがマタイの前に立ち、「私に従え」と声をかけ、マタイはすぐに収税所を出て主に従った。

 主はマタイが収税所で座っている様子を一目見て、この男の心に深く根を降ろした苦しみを見抜いた。

 マタイは能力があり、金持ちであって、ローマから委託された相応の権力を持っていた。しかし、ユダヤ社会からは罪人と軽蔑され、屈辱的な扱いをされていた。そのマタイの心は自分では抜け出そうにも抜け出せない苦しみ、卑屈で自虐的な自己顕示に満ちていた。

 主イエスが「従え」と声をかけたときに奇跡は起きた。マタイはスクッと立ち上がって主に従った。「我に従え」はマタイにとって奇跡の救いの言葉だ。

2023年6月11日日曜日

終りがあることを知る

 梅雨に入った。毎日シトシト、ジメジメが続く。猫たちは家から出られず、窓の外を眺めている。

 梅雨の候が好きだという人はすっかり減ったように思う。少し涼しいなかで、静かな雨音を聞きながら室内にて読書をする、こんな風情はすっかり遠のいた。油断をすると、シトシト雨はゲリラのように豪雨となって私たちを襲う。地球温暖化のせいだといいながら、私たちはちっとも便利な生活を手放すどころか、より便利な生活を追い求めている。

 「どんな種も必ず滅びるんですよね」とは先日のあるテレビ番組で恐竜学者が語っていた。何億年の先に終わりのあることにハッとする。改めて創世記から黙示録に至る神の壮大なご計画の世界を覗いた気がした。

2023年6月4日日曜日

ヨハネさんの16

 「神は、その独り子をお与えになったほどに、この世を愛された。独り子を信じるものが独りも滅びないで、永遠の命を得るためである」。このヨハネ3章の16節を、私の父は「ヨハネさんの16だよ」と中学生だった私に教えてくれた。12歳で実家を離れて、キリスト教主義の寄宿学校に入った私に、この聖句を覚えやすいようにと、そんなふうに教えてくれた。

 父の聖書を開くと、この箇所に黄色でハイライトしてある。そして、「神の力におまかせして霊によって生まれ変わる」と書き込みがあった。

 私にとって、父の愛は天の父の愛に通じている。若い頃の跳ねっ返りだった私に教えてくれた「ヨハネさんの16だよ」という父の声が今も懐かしい。