2015年6月21日日曜日

洗礼の水をたたえる“釜”

 湯河原教会を創設した米国人ジョン・ボーマン牧師は、土地の人々から「青い目の良寛さん」と親しまれた。終戦後の復興期のことである。
 ボーマン夫妻は、近所の海岸で多くの家族が海水浴を楽しむのを見て、東京で出会った貧しい家庭の子供たちを招いて思う存分楽しませてあげたいと考えた。
 夫妻は生活を切り詰めて費用をため、まず母子寮の子供たち30人を三泊四日の教会キャンプに招待した。その時の子供らの喜びが当時の記事に綴られている。
 2年前、この催しに使われた大きな釜が教会堂の屋根裏で見つかった。湯河原教会宣教60周年の今年、この釜は洗礼の水をたたえる器として蘇ろうとしている。