2017年1月8日日曜日

ルターとクラーナハ

 この正月、上野の西洋美術館に出かけた。『クラーナハ展』でルターの肖像画の本物を見るためだ。
 ルカス・クラーナハはルターと同時代に宮廷画家として活躍した人で、ルターの友人でもあった。クラーナハの描いたルターの肖像画は宗教改革500年のバナーでも親しみ深い。この肖像画は、実際はルター夫婦が一対である肖像画だということがわかった。温かみのある二人の表情に庶民の幸せを感じる。
 初めて見るルターのドイツ語訳『新約聖書9月版』に見入った。クラーナハの微細な木版の挿絵入りの黙示録のページに、諸刃の剣が口から出ている「人の子」の姿があった。おお、これがかの聖書か!と感じ入る。