2019年3月24日日曜日

涙するほど有り難い

 主人は園庭に言う「実のならないいちじくの木は土地の無駄だから切ってしまえ。土地は有効利用すべきだ」。それは合理的でもっともな考え方だ。それなら最初に切られてしまうのはこの私かもしれないと思う。
 しかし、園庭は主人に向かって懇願してくれる。「肥料をやってみるから切るのは待って。来年、実がなるかもしれない。」この園庭の温情は涙するほど有り難い。
 しかしこの木、次の年も実を付けられないかもしれない。それでもこの園庭は肥料をやるので来年まで待ってと懇願してくれるに違いない。そして翌年も・・・。
 わたし達はこの園庭の辛抱強い親心に育てられているいちじくの木だということを溢れる感謝で思う。